HTML5とは?
特徴やできることを解説
HTML5はウェブサイトに限らず、電子書籍の制作にも活用されており、HTML5はデジタルコンテンツの制作には欠かせない要素になっています。
ここでは、HTML5の特徴や出来ることをはじめ、注意点、電子書籍との関係などについて初心者にもわかりやすく解説します。
HTML5とは?
HTML5とは、HTMLのバージョン5のことです。
1993年にHTML1が開発されて以降、バージョンアップを繰り返し、2014年10月に5回目の改訂版となるHTML5.0が公開されました。(2021年5月時点の最新版はHTML5.2)
では、これまで難しかった動画や音声、グラフィックの描写が容易にできるようになり、ウェブサイトの表現力を大幅に向上させた技術であることが特徴です。
HTML4ではなかったマルチデバイスにも対応しており、スマホでのコンテンツ表示も容易になりました。
HTML5によってこれまで難しいとされてきたことが実現するようになったことから、電子書籍やゲームでもHTML5の技術が活用されています。
HTML5で出来ること
HTML5で出来ることは具体的にどんなことがあるのでしょうか?
困難だった機能が容易に実装できる
HTML5はこれまで難しかった様々な機能を容易に実装できるようになりました。
例えば、
- ユーザーの位置情報を取得
- ドラッグ&ドロップ機能
- フォーム機能
- Cookieよりも簡単に多くのデータをクライアントに保持させる機能
など、高度なAPI(Application Programming Interface)が追加されています。
HTML5は、ユーザーの利便性を大幅に向上させる機能が容易に実装できることが特徴です。
位置の取得などが容易動画や音声、グラフィックの描画が可能になる
HTML5は動画、音声、グラフィックなどの描写が容易にできます。
これまでは動画や音声を表現するためにはFlashやメディアプレーヤーなどのプラグインが必要でしたが、HTML5のvideo要素やaudio要素、canvas要素を使うことで表現できるようになりました。
これにより、プラグインを実装していない端末であっても、HTML5に対応したブラウザーがあれば正常にコンテンツを表現できます。
この機能は電子書籍にも大きな恩恵を与えていて、電子書籍内でコンテンツを充実させることにも貢献しています。
高速化が可能
HTML5は文章構造が簡素化され、表示速度の高速化ができるようになりました。
具体的には、doctype宣言をはじめ、link、scriptなどの記述が簡素化されています。また、HTML4ではそれぞれ名前をつけて管理していたdivタグの代わりに、sectionタグやarticleタグなどの要素が追加されており、文書構造がシンプルになっています。
HTML5の注意点
次に、HTML5の注意点を見てみましょう。
ブラウザや端末ごとに実装状況が異なる
HTML5はブラウザや端末によって実装状況が異なります。
例えば、IE6とIE7ではHTML5に対応していないため、意図した通りに機能しない場合があります。
この問題はブラウザのバージョンアップで対処できますが、ユーザーの環境に依存することは注意が必要です。
過度な詰め込みになりやすい
HTML5は表現力が高い技術であるが故に過度な機能の詰め込みが起こりやすくなります。
具体的には、コンテンツが動画や音声ばかりになってしまったり、必要な情報が見つかりにくくなることなどです。
とくに電子書籍では紙の書籍の概念から逸脱しやすくなるため注意が必要です。
HTML5と電子書籍
HTML5と電子書籍の関係についてご紹介します。
EPUB3のベースになっている
昨今の電子書籍の主流フォーマットである「EPUB3」は、HTML5とCSS3をベースにしており、電子書籍の制作においてHTML5は欠かせない技術と言えます。
HTML5ベースの電子書籍が主流であることを覚えておきましょう。
読み手の環境に依存する
HTML5は、読み手に対して高いアクセシビリティ(誰もがどんな状況でも情報にアクセスできる)を提供する一方で、読み手の環境に大きく依存します。
例えば、電子書籍リーダーで読む場合もあれば、パソコンのブラウザ、スマートフォンといった形やサイズが異なるケースに対応しなければなりません。
このことは、必ずしも読み手が電子書籍制作者の意図した通りのものを目にするとは限らないことを意味します。
紙の書籍のように固定されたレイアウトとは違って、多様な読み手の環境に合わせた制作や編集が必要です。