EPUB3とは?
制作時の特徴や注意点を紹介
電子書籍について調べていると「EPUB(Electronics Publication)」をよく目にすると思います。
EPUBとは電子書籍のファイル形式のことで電子書籍の主流の規格です。そんな「EPUB3(イーパブスリー)」ですが、EPUB3にはどのような特徴があり、どんなことに注意すべきなのでしょうか?
ここではEPUB3についてわかりやすく解説します。
EPUB3とは?
EPUB3とは、電子書籍のファイル形式の規格であるEPUBとそのバージョン3を合わせた用語です。「EPUB3.0」と表記されることもあります。
2011年10月に「EPUB 3.0 Final Specification」が公開されて以降改良が加えられ、2017年1月に「EPUB3.1」にアップデートされました。(2021年5月時点の最新版)
EPUB3は、Apple BooksやGoogle Playブックスなどの幅広いプラットフォームに対応していることから、電子書籍におけるファイル形式の標準になりつつあります。
EPUB3は複雑な日本語組版にも対応しており、国際的な技術の標準化、そして電子書籍の普及を推進する技術です。
EPUB3の特徴
EPUB3の特徴をご紹介します。
日本語組版の基本的な機能をサポート
EPUB3の最も大きな特徴と言えるのが「日本語組版の基本的な機能をサポート」としていることです。
例えば、EPUB2では対応していなかった縦組み、縦中横、圏点、ルビ表記、禁則処理といった日本語の書籍で必要な要素が追加されました。
これらはHTML5やCSS3などの技術を用いることで実現し、EPUB3によって日本語の電子書籍の表現度が大幅に向上しています。
国際標準へ前進した言語対応
EPUB3は日本語だけでなく、台湾や香港などの縦書き、右から左へ書くアラビア語やヘブライ語などにも対応しています。
言語によって異なる規則や見え方に幅広く対応したことから、国際的な標準規格として普及が加速しています。
EPUB3利用時の注意点
次に、EPUB3の注意点を見てみましょう。
複雑なレイアウトの表現が難しい
EPUB3は日本語組版に対応しているものの、複雑な組版になると表現できない場合があります。
この理由は日本語組版を表現する技術としてCSSを用いているためです。CSSの特性上、縦組みと横組みが同一ページに混在する場合などは、いずれかの指定を無効にしなければいけません。
日本語組版に対応しているEPUB3とは言え、複雑なレイアウトは表現できない場合があるので注意しましょう。
リーダーによって対応が変わる
EPUB3は日本語の様々な組版に対応できるようになった一方で、電子書籍リーダーが対応しきれていない場合があります。
これにより、意図した通りのレイアウトが表現されなかったり、表示が乱れる可能性があります。
そのため、EPUB3で制作した電子書籍は仕様をよく理解することや、EPUB-Chekerを使ったチェックに加えて、リーダーの実機を使ってチェックする手間が発生するので注意しましょう。
EPUB3でのコンテンツ制作ガイド
EPUB3でコンテンツを制作する際には、以下の制作ガイドを参考にすることをおすすめします。