自己出版とは?
自費出版との違いや費用を解説
電子書籍や紙媒体の書籍を自らが制作し出版することを「自己出版」と言います。
似た言葉として「自費出版」がありますが、これらには明確な違いがあります。
ここでは「自己出版」について、自費出版との違いや気になる費用などを含めて分かりやすく解説します。
自己出版とは?
自己出版とは、著者自らが書籍の制作から出版までをおこなうことです。
セルフパブリッシングや自主出版と呼ばれることもあります。
自己出版はとくに電子書籍でおこなわれることが多く、著者の意思通りに簡単かつ低コストで出版できるため、電子書籍の普及に合わせるようにして増加しています。
また、紙媒体による自己出版についても、Amazonのプリント・オン・デマンドなどのサービスが普及しており、誰でも簡単に出版できる環境が整っています。
自己出版は、手軽に出版できる反面、出版社や編集者による客観的な視点が入らないため、読者目線の意見が取り入れられないまま出版されたり、誤字脱字が残ったまま出版される側面もあります。
自己出版と自費出版の違い
自己出版と自費出版の違いは以下の5つです。
出版社や印刷会社の関与
自己出版では出版社や印刷会社を介さずに自らが出版します。
これに対して、自費出版の場合は著者が費用を負担し、印刷製本、流通、プロモーションなどをおこないます。
書籍の出版から流通まで、関連する人や会社の数が違います。
流通方法
電子書籍の自己出版では多くの場合、以下の流通手順になります。
著者
電子書籍販売会社
読者
自費出版の場合、以下の流通手順になることが一般的です。
著者
出版社または印刷会社
著者
読者
または、
著者
出版社または印刷会社
取次
書店
読者
流通においても出版社や印刷会社を介さない点が大きな違いと言えます。
著者の利益率
著者の利益率が違います。
この理由は、出版社や印刷会社などの関与にあり、関与している人や企業が少ない自己出版の方が利益が残りやすいのです。
ちなみに、このことは「印税額が違う」と表現される場合もありますが、あくまでも印税は出版社が著者に対して支払う著作権使用料に該当します。
自己出版、自費出版いずれも著者自らが費用を負担して出版している訳ですから、印税ではなく利益という表現がふさわしいでしょう。
費用
自己出版は出版にかかる紙代、印刷代、手数料、配送費用などがかからないのに対し、自費出版はこれらの費用を負担しなければいけません。
自己出版にかかる費用としては、iBooksやAmazon Kindle ストアなどのプラットフォームにおける販売手数料や、自らがおこなうプロモーション活動費などでしょう。
自己出版は実質的に費用ゼロ、自費出版は様々な費用がかかる点が大きな違いです。
作品の品質
自己出版は出版社や編集者などによる校正が入らないため、読みやすさや誤字脱字といった品質チェックが疎かになりがちです。
一方、自費出版の場合は、編集のプロによるチェックが受けられるため、一定の品質が確保されます。
出版前の第三者によるチェックの有無が大きな違いと言えるでしょう。