書類をPDF化するには?
データ化のメリットと注意点をご紹介
テレワークへの対応や情報共有の迅速化、業務の効率化などを目的に、近年は書類のPDF化を図る企業が増えています。しかし、紙の書類をどのようにしてPDF化するのかがわからない場合もあるでしょう。
この記事では、書類をPDF化する方法とデータ化のメリット、注意点などを解説します。書類をPDF化して社内DXを推進したい方は、ぜひご一読ください。
書類のPDF化とは?
書類のPDF化とは、紙の書類や、Word、Excel、PowerPointなどのファイル形式を、Adobe Acrobat Readerなどのソフトウェアで閲覧可能な「PDFファイル」に変換することです。
PDFファイルは異なるOSやデバイスであっても、元の書式を保ったまま閲覧・印刷できるという特徴があります。そのため、書類の共有や管理、長期的な保存に適しています。また、PDFファイルをインターネットで送信すると、さまざまな関係者との共有が可能です。
電子帳簿保存法の改正により、PDF化した書類を電子的に保存するための要件が緩和されており、書類のPDF化を図る企業が増えています。
書類をPDFファイルにする方法
書類をPDFファイルにする主な方法として、以下の3つがあります。
WordやExcelなどで作った書類をPDF出力する
ExcelやWordなど多くのオフィスソフトでは、ファイル形式を「PDF」に変換して保存できる機能を搭載しており、簡単な操作でPDF化が可能です。
例えば、WordファイルをPDFに変換して保存する場合だと、ファイルを保存する際に「名前を付けて保存」し、「ファイルの種類」から「PDF」を選んで「保存」ボタンをクリックすると、PDFファイル形式で保存することができます。ExcelファイルなどもPDF化の方法は同様です。
Googleドキュメントやスプレッドシートの場合は、ファイルをダウンロードする際に「PDFドキュメント」を選ぶことで、PDFファイル形式でのダウンロードができます。
紙の書類をスキャンしてPDFに変換する
スキャナーや複合機で紙の書類をスキャンすることで、PDFファイルとして保存できます。PDF化する方法は機器によって異なりますが、スキャン設定でPDF形式を選択するとPDF化が可能です。コンビニの複合機でも、同様の方法でPDF化ができます。
スマートフォンで撮影してPDFに変換する
スキャナーや複合機がない場合は、スマートフォンにAdobe Scanなどのスキャンアプリをインストールして、書類をカメラで撮影する方法でもPDF化は可能です。なお、スキャンアプリを使わなくても、iOSはメモアプリ、AndroidはGoogleドライブアプリでPDF化することができます。
書類をPDF化することのメリット
書類をPDF化することのメリットとして、以下が挙げられます。
セキュリティの強化
書類をPDF化することで、セキュリティの強化が図れます。紙の書類は破損や紛失、内容の改ざんなどのリスクがあります。重要書類の場合、紛失したり盗まれたりすると、企業の存亡に関わることもあるでしょう。
紙の書類をパスワードや暗号化などのセキュリティ機能を設定してPDF化することで、情報の漏洩や改ざんを防止できます。PDF化により、機密情報や個人情報を含む書類も安全に共有・保存ができ、企業のセキュリティ対策に寄与するでしょう。
テレワークへの対応
書類のPDF化を推進すると、紙の書類を持ち運ぶ必要がなくなり、場所や時間に縛られない働き方が可能になります。PDFファイルは異なるOSやデバイスであっても共有できるため、自宅のパソコンやノートパソコン、タブレット端末などを使って効率的なテレワークが可能です。
テレワーク環境においては、異なるデバイスを使用するメンバー間でもスムーズに情報共有をしなければならず、テレワークを導入する際は書類のPDF化が重要な要素となります。
業務の効率化
紙の書類をPDF化すると、検索機能を使って必要な情報を迅速に探すことができます。紙の書類は必要な情報を見つけるのに時間がかかりますが、PDFファイルなら一瞬で見つかります。ただし、検索機能を使うには、PDF化の際に画像データ中の文字をテキストデータに変換するOCR処理が必要となります。
また、書類のPDF化により、紙の書類の印刷や保管、廃棄などの労力やコストを削減でき、 生産性の向上にもつながります。
情報共有の迅速化
PDF化をすると、メールやクラウドストレージを通じて、簡単に書類を共有できます。OSやデバイスが異なっても、元の書式のままで閲覧や印刷ができることはPDFファイルのメリットの一つと言えるでしょう。
紙の書類では手作業でのコピーと配布が必要ですが、PDF化により情報共有が迅速化・簡素化されます。ただし、外部への情報漏洩を防ぐために、機密性の高い情報を共有する際には、アクセス権限の設定や共有範囲の限定などのセキュリティ対策が必要です。
社内DX化の促進
紙の書類をPDF化してペーパーレス化を進めることで、業務のデジタル化を促進できます。デジタル化は社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進める一環となり、コンプライアンスやリスク管理の強化にもつながります。
DX化を推進している企業は増加しており、取引先との業務をスムーズに行うためにも、書類のPDF化は不可欠な要素となっています。書類のPDF化によって情報の迅速な共有や処理が可能になり、業務の効率化を図ることができるでしょう。
書類をPDF化する際の注意点
書類をPDF化すると、情報共有の迅速化や業務効率化などのメリットが得られますが、以下の点に注意が必要です。
電子帳簿保存法への対応が必要
法令で定められた帳簿書類をPDFで保存する場合は、電子帳簿保存法が定める要件を満たす必要があります。要件には、タイムスタンプ要件や検索要件、データの改ざん防止などがあり、要件を満たしていないとペナルティを受ける可能性があるため、注意が必要です。
電子帳簿保存法に対応させるには、国税庁のホームページに掲載されている「電子帳簿保存法Q&A」などを参考に、要件を満たす方法を検討しましょう。同時に、電子帳票システムの導入もおすすめします。
参考:国税庁「電子帳簿保存法一問一答(Q&A)」
容量の大きさに注意
WordやPowerPointで作成した書類や、高画質の写真を多数掲載している書類をPDF化すると、ファイルサイズが大きくなることがあります。大容量のPDFファイルをメールで送信したり、クラウドストレージで共有したりすると、容量制限を超えてしまうかもしれません。
大容量のPDFファイルは、画像の解像度を下げたり、圧縮率を調整したりして、適切な方法で容量を小さくしましょう。
PDFは修正できない
基本的に、PDFファイルは後から修正できません。修正したい場合は、元のファイル形式に戻してから編集する必要があります。ただし、一部のPDF編集ソフトでは、テキストの修正や画像の差し替えなど、簡単な編集が可能となっています。
将来的な内容の変更に備えるためにも、WordファイルやExcelファイルなど、PDF化をする前の元のファイルを破棄せずに保管しておきましょう。
書類をPDF化する方法
スキャニング
紙のアンケートを高解像度のスキャナーで読み取り、PDF化する方法です。
スキャン作業だけでなく、スキャン後のデータ入力や溶解も対応可能なため、人的コストを大幅に削減できます。