契約書をPDF化する際のコツとは?
やり取りの注意点も解説

契約書PDF化のイメージ画像

日本では近年、契約書をPDF化する企業が増加しています。契約をスムーズに進めるには、契約書をPDF化する方法や、PDF化した契約書でやり取りする方法を知っておくことが大切です。

この記事では、契約書をPDF化する際のコツを解説します。やり取りの注意点も解説しますので、スムーズな契約締結にお役立てください。

PDF化した契約書の法的な効力

PDF化した契約書も法的な効力を持ちます。契約自由の原則により、口約束でも契約は成立しますが、契約書を交わしておくと契約が成立した証拠として機能します。これは紙の契約書だけでなく、PDF化した契約書も同様です。

ただし、PDF化した契約書でやり取りしたり、紙の契約書をPDF化して保存したりする際は、電子署名法や電子帳簿保存法のスキャナ保存要件を満たす必要があります。要件を満たしていれば、万一、契約後に紛争が生じた場合でも証拠資料として機能します。電子帳簿保存法に基づくスキャナ保存要件は以下のとおりです。

・タイムスタンプの付与

・検索機能の搭載

・不正改ざん防止措置

・保存データのバックアップ

契約書をPDF化するには、電子署名法や電子帳簿保存法などの法律を理解して、法的有効性のある契約書にしなければなりません。法的効力のある契約書を作成するには、電子契約ソフトや電子契約サービスの利用が有効です。

PDF化した契約書でやり取りする際の注意点

ここでは、紙の契約書をPDF化する際と、紙の契約書を使わずにPDF化した契約書でやり取りする際の注意点をそれぞれ解説します。

紙の契約書をPDF化する際の注意点

紙の契約書で契約を交わし、PDF化して保存する際は、原本を残しておく必要があります。この場合、あくまでも原本は紙の契約書です。万が一、訴訟になった場合、原本が必要になる可能性があるため、PDF化しても原本の紙の契約書は保管しておきましょう。

紙の契約書をPDF化して保存する際は、契約書の真正性を確保する必要があります。スキャンしたPDFファイルが原本と一致していることを証明しなければならず、タイムスタンプの付与や検索機能の確保、解像度は200dpi以上にするなど、電子帳簿保存法のスキャナ保存要件を満たすことが求められます。

なお、契約書をPDF化すると画像データとして認識されます。画像データだと検索機能が使えなくなるため、テキストデータ(文字データ)にする必要があり、テキストデータにするにはOCR処理が欠かせません。OCR処理を行えるツールとして、GoogleドライブやOneNote、EzOCRなどがあります。

PDF化した契約書で電子契約をする際の注意点

紙の契約書を使わず、PDF化した契約書でやり取りする際は、PDF化した契約書そのものが原本になります。PDF化した契約書に署名・捺印する際は、電子署名が必要です(電子署名法第3条)。

電子署名を付与することで契約が真正に成立したものと推定され、電子署名がされていれば押印は不要です。電子契約サービスを利用すると、電子署名の付与が可能な電子契約書を作成することができます。

契約書をPDF化する方法

ここでは、契約書をPDF化する方法として、紙の契約書をスキャニングする方法と電子契約サービスを利用する方法を解説します。

紙の契約書をスキャニングする方法

紙の契約書をスキャニングする際、スキャナ保存要件を満たすと法的有効性が認められます。スキャナ保存要件は細かく定められており、詳細は以下のサイトでご確認ください。

参考:はじめませんか、書類のスキャナ保存!|国税庁

スキャンの解像度は200dpi以上にすることが要件になりますが、一般的なカラースキャナであれば問題なく、スマホのカメラでも代用は可能です。タイムスタンプの付与は、電子帳簿保存システムの時刻証明機能で代用できます。検索機能の搭載は、OCR処理を行うことが必要です。

電子帳簿保存システムを利用することで紙の契約書のPDF化は容易になるため、電子帳簿保存システムの利用を検討してみてください。

電子契約サービスを利用する方法

PDF化した契約書でやり取りする際は、電子契約サービスの利用が一般的です。電子契約サービスは、さまざまなサービス提供会社から提供されており、契約書作成機能や契約書管理機能、ワークフロー機能などを利用できます。代表的な電子契約サービスは以下のとおりです。

・クラウドサイン

・GMOサイン

・CONTRACTHUB (コントラクトハブ)

・ContractS CLM

・freeeサイン

・マネーフォワード クラウド契約

必要な機能や料金、使いやすさ、セキュリティなどを考慮して、最適な電子契約サービスを選びましょう。

導入する電子契約サービスが決まれば、サービス提供会社のサイトにアクセスし、アカウントを作成します。契約書を作成して相手方のメールアドレスに送信し、相手方がメールに記載されたURLをクリックすると、契約書を確認できます。相手方が了承して、電子署名を行うと契約の締結は完了です。

このように、契約書をPDF化する際のコツとして、電子契約サービスや電子帳簿保存システムの利用が有効です。自社に合ったサービスを選び、契約をスムーズに進めましょう。

契約書をPDF化する方法

スキャニング

紙の契約書を高解像度のスキャナーで読み取り、PDF化する方法です。

スキャン作業だけでなく、スキャン後のデータ入力や溶解も対応可能なため、人的コストを大幅に削減できます。

スマートゲートのスキャニング代行サービスはこちら

データ入力

社内文書、紙媒体の名簿や顧客リストなどをデータ化する方法です。

社内DXが促進され、情報の一元管理がスムーズになることで、データ活用の幅が広がります。

スマートゲートのデータ入力代行サービスはこちら

お問い合わせ

お問い合わせフォームの場合は、翌営業日までに担当者からメールまたはお電話でご連絡をさせていただきます。
お急ぎの場合はお電話にてお問い合わせください。